蓮華賞 | 本光寺住職のダラブログ

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蓮華賞

北陸大谷高校は公立の高校と違い、シャバそのものです。勉学に部活に最優秀な生徒がおれば、学力が低い、運動能力が劣った生徒もいます。一つの集団で足の速い子がおれば遅い子がいるのと同じで、皆それぞれバラバラで、画一的でないところが大谷高校の持ち味です。そこで、私は4年前に、特に目覚ましい優秀な成績や記録を残した生徒にではなく、辛い逆境にある時や、何かに失敗した時など、それを人のせいにするのでなく、くさらず、投げ出さず、そして、ヤケクソにもならず耐え抜いて、その苦境を懸命に乗り越えた3年生の生徒を私が独断で選び、卒業式に顕彰することにしました。その賞を理事長賞とはせず「蓮華賞」と名付け、「泥の中を成長して咲かせるきれいな蓮の花」に譬え、その3年間の辛苦に打ち勝った労を称えることにしました。

一人目は、バレー部のキャプテンでありながらレギュラーを突然外され、以後心機一転裏方で部員を支えた女子生徒。二人目は、柔道部で一年生の新人大会の試合後、硬膜下出血で倒れながらも部に復帰した後、マネージャーとして裏方に回り部員を下支えした男子生徒。三人目は野球部のエースで春の県大会で金沢西高校に惨敗を喫しましたが、その後、並々ならぬ努力を重ねて、夏の大会では優勝候補の金沢高校に4-5で敗れたものの、あの大舞台で延長12回を一人で立派に投げ抜き、どん底から這い上がった生徒。

では、今年は?吹奏楽部に未経験ながら入部し、その技量のハンディを人一倍の努力で克服して、副部長・フルートのパートリーダーを務めるまでに成長した女子生徒を卒業式で表彰しました。

私は常々、私学は私学にしかできないことを、さらに、大谷高校だからこそできることを見つけて実行していこうと心掛けているのですが、この蓮華賞もそのような考えに基づいたものです。この賞を続けることで、後輩の生徒たちの励みになってくれればよいのですが。

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