犬のやきもち | 本光寺住職のダラブログ

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これからのお寺は変わらなければ。「人間ダラといわれて一人前」を掲げる住職の、御門徒さんとのふれあいブログ、略して「ダラブロ」

犬のやきもち




寺には犬(メス)を1匹、警備犬?として飼っています。


以前、知り合いのブリーダーの人から「店で売れ残った子がいるんだけど、もらってくれませんか。ご院さんと奥さんは犬が好きだからきっと可愛がってくれるだろうと思ってね。」と電話があって、その後早速、柴犬の子犬を持って見せに来たのです。実はその頃、それまで飼っていた2匹の柴犬が相次いで死んで、私たち家族がとても悲しい思いをした後だったものですから、また飼うことには消極的でした。でも、その人に、「この子、ワシが引き取らんだら、どうなるの」と訊ねると、この後、処分することになる、というのです。


そこで、私が考えたことは<この犬の寿命を14.5年とみて、私の年齢はその時になると70歳か。ここでこの犬に逢ったのも他生の縁かな>と、引き取ることにしたのです。名前は8月に来たので「ハチ」が「ハッチ」に決まり、以来何の芸も出来ない、臆病なただ吠えることだけの犬ですが、今は大切な家族の一員になっています。


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ところで、複数の犬を一緒に飼ってみると、性格の違いやオスとメスの仕草の違いなどが比べて見えるものだから自然とわかってくるものです。以前も2匹を同時に飼っていた頃、成犬に成長するに従いボスと子分の関係が2匹間でいつの間にかできて、ボスは子分を力でねじ伏せ、時に威嚇して噛みつき自分の存在を誇示します。


しかし、私に対しては、ともに私の顔色をいつも見ていて、私のその日の喜怒哀楽を瞬時に見抜くのです。私が機嫌の悪い時はその空気を察するのか決して私に近づきませんし、逆に良い時は自分から近づき私にじゃれてきます。叱ろうとすると遠ざかり、優しくしようと思うと近づいてきます。人と犬にも以心伝心があるのです。


犬が私に求めているものは、優しさです。ところが、私がどれか1匹だけを優しくすると、その犬をもう1匹が噛みつきます。実は犬にもやきもちがあるのです。私はそれぞれの犬を平等に可愛がっているつもりでも、犬は自分だけを可愛がって欲しいのです。これは人間の親子関係でも共通して言えることのように思います。

親の心はほとけの心、子の心は凡夫の心


住職の口癖


虚飾の皮が一枚むければ、ダラになる