不思議な生徒 | 本光寺住職のダラブログ

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不思議な生徒

私は小松大谷高校へ行くと、よく校庭や校舎内をふらふら歩き廻り、部活動を覗いたり、教室を覗いたりするのですが、時折目立たない所で不思議な生徒に出会うことがあります。一つ紹介しましょう。それはいつのことだったか、校舎の長い廊下を歩いていると、向こうの方で一人の男子生徒がかがんで何か物を拾い、それを上着のポケットに入れる様子が目に止まりました。

そこで、私はその生徒に近づいて話し掛けました。「それ、落し物?」とポケットに指差して聞くと「いえ」と小さな声で伏目がちに下を向いています。「よかったら、それ見せてくれる?」と言うと、迷惑そうな顔をして渋々ポケットから差し出しました。びっくりしました。何とそれは小さな紙切れだったのです。「これ、君のメモ?」「いえ、ゴミです」「どうしてポケットに入れたの?」「この辺にゴミ箱がないんで」成程、確かに近くにゴミ箱がありません。「君は、かてもんや(感心や)」と言って、その子の頭を撫でてやりたい気持ちになりました。

普通は近くにゴミが落ちていることに気付いても、そのゴミを踏んだり、またいだり、蹴飛ばすことはあっても、まさかそれを拾ってポケットに入れることはしないでしょう。この時、私はこの生徒の親はどんな人なのだろうか、と育てられた親御さんのことまで感じ入ってしまいました。


住職の口癖 無能の長とは、ワシのこと