神様は約束をしません | 本光寺住職のダラブログ

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これからのお寺は変わらなければ。「人間ダラといわれて一人前」を掲げる住職の、御門徒さんとのふれあいブログ、略して「ダラブロ」


 昨日は小松市長選挙の告示日で、各立候補者はそれぞれの場所で熱心な支持者を伴い祈願祭や出陣式を行なったようです。

 昨日の午前中には、寺の向いの神社にも大勢の人が集まり、当選祈願祭が行なわれました。ところが、これまでどのような選挙であれ、必ずその度に本光寺の境内がそのために集まった人たちの専用駐車場になってしまうのです。
その様子を眺めていると、ほぼ同時刻に何台もの車が寺に押し寄せて来て、車から降りるとすぐに丸で水が低い処に流れていくが如く、向いの神社に一斉に小走りに向かって行きます。その時、誰もが本光寺の阿弥陀さんは対象外と言わんばかりの冷たい表情で、目の前の本堂には見向きもせず、立ち去って行くのです。それは人が阿弥陀さんの力を見抜いているのか、それとも阿弥陀さんにその人の心を見抜かれているのか・・・。

 そう云えば、今年も受験生で寺に合格祈願に来た子供は一人もいなかったな。皆知っているんですよね、阿弥陀さんはそんな自分勝手なご利益をもたらしてくれないことを。今や選挙戦の度に行なわれる祈願祭は当り前の仕来りになっていますが、でも、私などはテレビに映るその光景を見ると、自信がないんだな、のっけから神頼みとは情けないことだと、思ってしまいます。さらに、もっと肝心なことは、祈ろうが、頼もうが、あなたに何も神様は約束をしてはいないことを、はっきりしておかなければいけません。

 いや、これは神様のことばかりではないのです。つい一ヶ月位前のことでしたが、20歳前後の若いカップルが、突然寺に訪ねて来まして「すみません、あの、水子供養をしてもらいたいんですが・・・」と言うものですから、私は「この寺では水子供養はしません。真宗の何処の寺に行ってもしてはくれませんよ」と応えると、「じゃ、何処へ行けばしてもらえますか」「そうね、小松ではハニベ巌窟院かな、あそこはそれ専門だから」と、そう応えると、彼の方が「いや~、あこは・・・」と言いながら首を少し傾げて困った様子です。
 
 私は冗談で言ったのですが、実は最近、地元のニュースでこの寺の住職が水子供養を求めて来た複数の女性の弱味に付けこみ、破廉恥なことを繰り返して、倒頭セクハラ容疑で逮捕されたのですが、私は彼の反応からこのニュースを知っていたことが分かりました。「そうか、それじゃ折角来てくれたんだから、これから二人で本堂にお参りして、互いに手を握り合って『ごめんね』って、心の中で詫びておいで。これは二人の大切な秘密だよ。どんなお経を上げても、罪は打ち消せないからね」と言うと、晴ればれとした表情になって「はい、僕たちそれでいいです」と。

住職の口癖 お経は、心地よいリズムと、響きだ。


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