たかが小豆汁なれど… | 本光寺住職のダラブログ

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これからのお寺は変わらなければ。「人間ダラといわれて一人前」を掲げる住職の、御門徒さんとのふれあいブログ、略して「ダラブロ」




 真宗寺院の報恩講のお斎(とき)には、決まって小豆が入った汁物やお粥や煮物などをご膳に付ける風習があります。これは親鸞聖人が越後に流罪になった頃から、野を耕し、手軽に作り、食することができる小豆を特に好んだという伝説から、何処の地方の寺でも報恩講に小豆を用いた料理を出すことが定番となっているようです。



ところが、私の寺でも報恩講には小豆汁を振舞っているのですが、何故か多量の砂糖を使って味付けしているために、当然のことながら非常に甘いのです。私はこのことにふと疑問が湧き、いつ頃からこのような甘い汁を出すようになったのか。また、戦時中、いや、蓮如上人の時代は恐らく今の時代とは違い砂糖は豊富に無かっただろうし、当時うちの寺のような甘い小豆汁が出されたとは思えません。この頃、そのことが私は何かに取り付かれたように気になって仕方がありません。



そこで、今年の報恩講から従来の甘い小豆汁にこだわらず、しかし、小豆にはこだわって独自の味付けの小豆汁を考案できないか、近く有志を募り仮称「小豆汁研究会」を作り、試行錯誤しながら知恵を出し合いたいと思っています。



幸いなことに、昨年から本光寺勝光寺 との間で寺同士の垣根を越えて、互いの行事に参り合いをしようと「()ったり還()たり 」という企画が実施されたことで、どちらも他の寺に参ることの抵抗感も薄れたことでもあるし、二ヶ寺で統一した小豆汁を作ってみたいものだと思っています。



私は常々、寺は楽しむ処でありたいと申しておりますが、報恩講に参った人たちが僧侶のきれいな勤行の声に聞き浸り、身に沁みるような法話に心を打たれ、素朴なお斎の料理の味に舌鼓を打つことは正に楽しみであり、同時にこれらはまさしく親鸞聖人の教え、人となりを、またその時代を偲び学ぶことに外なりません。



この取り組みで楽しみも一つ増え、今年こそ参られたご門徒の方々に「今年の報恩講は結構やった。たんな(大変)楽しかった」と言って頂けますように。







住職の口癖 己の分を知り、その分を尽くせ





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