二つの謎 | 本光寺住職のダラブログ

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これからのお寺は変わらなければ。「人間ダラといわれて一人前」を掲げる住職の、御門徒さんとのふれあいブログ、略して「ダラブロ」





どの古寺にも建物や什物にはそれぞれ長い間代々語り継がれてきた由緒があるものですが、それらは謎めいたものが多いようです。ここ本光寺にも幾つか伝わる謎のうち、二つをご紹介しましょう。



まず、本光寺の鐘楼は寛永八年(1631)に加賀八幡から清水町に移ってから建てられたものですが、文化三年(1805)に本折町に本堂を移築することになり、この鐘楼も解体して移すことになりました。この建物には釘が一本も使わず組み立てられ、最後に楔(くさび)一本を打ち込んで仕上げられました。ところが、この楔の位置が分からず、結局解体ができずそのまま曳いて現在の場所に移したそうです。今でもこの楔の位置は分からず謎になったままなのです。




もう一つは、会館の一階には百畳敷きの大広間があり、その正面には二間幅の床の間に横137㎝、縦244㎝もの大きな軸が掛けられており、その軸には「円満」と見事な太字で書かれています。



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本光寺の前身は凡そ541年前までは天台宗円満寺といい、その寺号が今では「円満の会」の名称の由来にもなっているくらい多くの人に馴染まれています。ところで、この軸の落款には、この二字がどのような姿勢で書かれたのかを知る手掛かりになるような文字が記されてあります。そこには「筆を担ぐ…」とあるから、恐らく筆自体がかなり重いものであろうし、その筆には何の毛が使われていたのだろうか。よく見ると一気に書いたようにも思うが、何故かかすれていない。このように同じ濃さ、太さで書き続けるにはどんな工夫があったのか、いつ頃、誰が書いたのか、実に謎めいた代物なのです。


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